ライブコマースの始め方。失敗と成功を分けるポイントとは
- 公開日:2022/07/11
オンラインでユーザーとコミュニケーションを取りながら商品を販売できるライブコマース。導入したいけれど、まだ先行事例も少なくてどうしたらいいかわからないと悩んでいる方も少なくありません。
そこで本記事では、下記の内容について解説いたします。
・そもそもライブコマースとは
・ライブコマースの始め方
・ライブコマースを成功させるポイント
ライブコマースを効果的に導入し、オンライン販売の売上アップにつなげましょう。
ライブコマースとは?
ライブコマースはライブ配信からオンラインでの商品購入につなげるマーケティング手法です。コロナ禍で消費者が実店舗へ足を運びづらくなったことから、ここ数年EC業界で注目を集めています。
ライブコマース市場が急拡大している中国では2021年時点で約34兆円の市場規模が見込まれており、日本でも今後ますます伸びていくと予想されます。
関連記事:ライブコマースとは?注目される理由と活用するメリットを解説
【参考】日本貿易振興機構「ライブコマース、健全な発展を見据えて(中国)」
ライブコマースを始めるメリット
ライブコマースの導入には次のようなメリットがあり、外出自粛の追い風もあって日本でも事例が増えつつあります。
・オンラインでも実店舗のような購入体験ができる
・商品について正確に伝えられる
・インフルエンサーを起用すれば集客効果も期待できる
それぞれについて詳しく説明します。
オンラインでも実店舗のような購入体験ができる
商品の映像を見て出演者とコミュニケーションも取りながら商品購入を検討できるライブコマースは、まるで実店舗を訪れているかのような購入体験を視聴者に与えます。「実店舗じゃないと買い物したくない」というユーザーも新規に取り込めるかもしれません。
商品について正確に伝えられる
サイズ感、色味、質感など実際の商品を見ないとわかりづらい特徴を視聴者に正確に伝えられます。「身長160cmならどのサイズがおすすめですか?」「斜め上から見るとどんな感じですか?」など視聴者の質問にリアルタイムで答え、疑問や不安を解消することも可能です。
画像や説明文だけではわからないポイントを伝えることで、納得感のある商品購入へとつながります。
インフルエンサーを起用すれば集客効果も期待できる
ライブコマースは基本的には商品を購入してもらうための手法ですが、インフルエンサーを出演者として起用することで宣伝・集客も同時に行えます。ファンの多いYouTuberやインスタグラマーなどに出演を依頼すれば、ファンがライブ配信を視聴するため、新規顧客の獲得も期待できます。
商品、ブランドの知名度が低い時期や売上を一気に伸ばしたいタイミングでは特に意識したい特徴の1つです。
関連記事:ライブコマース成功のポイントは「集客」失敗しない集客方法を解説!
ライブコマースの始め方
ここからはライブコマースを始める際の具体的な流れについて解説します。
STEP1 販売する商品を決める
まずはライブコマースを通して販売する商品を決めましょう。「人気商品をもっと売る」「売れやすい季節アイテムをプッシュする」など目玉にする商品や目的を定めることで戦略が立てやすくなります。
具体的には、アパレル・コスメ・食品など、ECサイトを見るだけではサイズ感、色味や質感などがわかりづらい商品がライブコマースには向いています。
ブランディングや認知獲得は売上と比べて定量的な効果測定が難しいため注意が必要です。
STEP2 配信方法を決める
ライブコマースの配信方法・媒体には大きく「自社サイト(SaaS型)」「SNS」「ライブ配信アプリ」「ECモール」の4種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的や状況に応じて選びましょう。
配信方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自社サイト(SaaS型) | ・導線を自由に設計でき購入につなげやすい ・SaaSを導入しても手数料が比較的安い | 媒体の集客力に頼れない |
SNS | ・新たな認知を取りやすい ・手数料がかからない | 自由度が低く購入につなげるのが難しい |
ライブ配信アプリ | ・新たな認知を取りやすい ・手数料がかからない | 自由度が低く購入につなげるのが難しい |
ECモール | ・モール内で配信するため購入につながりやすい | 手数料が高い |
EC売上アップを狙うのであれば自社サイト(SaaS型)、ブランディングが目的ならSNSといったように選び分けましょう。
STEP3 配信内容を決める
目的や商品に合わせて配信内容を決定します。
単に商品を紹介するだけでは視聴者が飽きて視聴維持率が低くなってしまいます。トレンド解説や着こなし紹介などと組み合わせてコンテンツとしても楽しめる内容にしなくてはいけません。
またライブ感もライブコマースでは重要な要素であるため、完璧に台本を作り込むのではなくアウトラインだけ決めれば十分です。
STEP4 出演者を決める
自社スタッフかインフルエンサー・タレントのどちらかが出演するのかも大きなポイントです。
出演者 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自社スタッフ | ・初めから商品やブランドへの知識を持っている ・予算が少なくて済む | 出演者に集客効果がない |
インフルエンサー・タレント | ファンがいるので集客効果が大きい | 必要予算が多くなる |
どちらも一長一短なので「自社スタッフのほうがいい」「インフルエンサーでなければいけない」と一概には言えません。予算や人員などのリソースを考慮しながら、自社の状況に相応しいほうを選びましょう。
長期的にライブコマースを続けていく予定なら、自社スタッフをインフルエンサーのように育てる選択肢もあります。
また、カメラの前で出演する人以外にも、天の声としての役割や、ゲスト出演といった役割もあるため、配信形式によって出演者を決めていきます。
STEP5 スタジオ・機材を準備する
実店舗を持っている場合はブランドイメージや商品の特徴を伝えやすい店舗での配信がおすすめです。店舗がなければオフィスやレンタルスタジオでも問題ありません。
配信場所 | メリット | デメリット |
---|---|---|
店舗 | ・ブランドイメージを伝えやすい ・予定になかった商品でも紹介できる | 開店前や閉店後しか配信できない |
オフィス | ・時間を選ばず配信できる ・移動の必要がない | 内装によっては無機質な印象になる可能性がある |
レンタルスタジオ | ・雰囲気を作りやすい ・Wi-Fiや照明が準備されているところもある | ・予算が必要 ・頻繁に配信する場合は移動が面倒 |
またカメラや照明といった撮影機材も必要です。本格的な機材を揃えて配信するか、スマートフォンを使い手軽に揃えられる機材で配信するかを決めましょう。
多くの媒体はスマートフォンでも配信可能ですが、室内では光量が不足して画質が悪くなってしまうため、光量を補える照明を用意するか、屋外などカメラの利用が難しい場合に限定すると配信のクオリティを担保できます。
STEP6 告知して集客する
遅くとも1週間前からライブ配信を告知して集客しましょう。SNS、自社ECサイトや顧客リストを活用して、まずはすでにブランド・商品のファンになってくれている方を呼び込むことが重要です。
インフルエンサーを起用する場合は、インフルエンサーのInstagramやTwitterでも告知してもらいましょう。出演交渉の段階で告知についても話し合っておくと後々揉めることなくスムーズに進められます。
STEP7 リハーサルを行う
配信日が近づいてきたらリハーサルします。当日と同じ場所・時間・出演者で問題がないか確認しましょう。非公開ページや専用アカウントを用意して実際に配信されている映像や音声に問題がないか確かめられると安心です。
またカンペやコメント返しも想定してスタッフの位置・人数もチェックしましょう。
STEP8 実際に配信する
準備が終わればいよいよ配信です。台本やリハーサルの内容にとらわれすぎずに、視聴者とのコミュニケーションも大切にしながら進めましょう。ところどころに購入を促す言葉を挟むと商品が売れやすくなります。
また生配信には失敗やアクシデントがつきものです。特に初回のライブ配信では、万が一に備えてスタッフを多めに配置しておくと良いでしょう。
ライブコマースの失敗と成功を分けるポイント
ライブコマースを成功させるためのポイントは次の3つです。
1.商品やユーザーと出演者との親和性
2.出演者の知識や熱量
3.配信データの分析
1つでも疎かにするとライブコマースが失敗してしまう可能性もあります。下記で解説するので、それぞれ意識してライブコマースを成功させましょう。
1.商品や視聴者と親和性の高い出演者を起用する
有名人を出演者として起用する場合、ファンの多さだけでなく商品や視聴者との親和性も重要です。コスメを買ってもらいたいのに大食いYouTuberを起用する、ターゲットが30〜40代なのに20代に人気なインフルエンサーに依頼する、などミスマッチがあると思ったように商品が売れません。
インフルエンサーを起用する場合は「売りたい商品のジャンルに詳しい」「メインターゲット層に人気」といったように親和性を意識しながら検討しましょう。
2.出演者の知識や熱量を高める
商品への知識が豊富な人、ブランドへの熱量が大きい人を出演者として起用する必要があります。生配信では知識や愛のなさはすぐに視聴者に伝わり不信感の原因となります。出演者が人気であれば視聴者は集まるかもしれませんが、不信感が生まれてしまうと購入にはつながりません。
適当なインフルエンサーがいなければ、心から商品やブランドを愛している自社スタッフを起用したほうが良いかもしれません。また人気のあるインフルエンサーと知識や熱量のある自社スタッフの2人体制で配信する選択肢もあります。
3.配信データを分析する
配信後は必ずデータを分析しましょう。配信して終わりでは社内にノウハウが蓄積されず、悪かったポイントを改善することも良かったポイントをより伸ばしていくこともできません。
視聴者数・コメント数・サイト遷移数・購入数などを分析し、売上を伸ばしていくための施策を実行し続けることがライブコマースを成功させるためのポイントです。
関連記事:ライブコマースを成功に導く「分析」方法を解説。改善して売上アップ!
ライブコマースでEC売上をアップさせよう
本記事では「ライブコマースの始め方」と「失敗と成功を分けるポイント」についてご紹介しました。動画の時代が来ると言われ、また外出自粛によりECがより一層広まったことで、ライブコマースの重要性は増していく一方です。ライブコマースを導入して改善を続けていき、EC売上をアップさせましょう。
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