インスタライブとライブコマースの違いとは?
- 公開日:2023/06/28
近年では、新型コロナウイルスの影響によりインターネットでの商品購入が増加しています。そんな中、新しいECサイトの販売手法として注目を浴びているのが「ライブコマース」です。
ライブコマースは、インターネット上で動画ライブを通じて商品やサービスを紹介する販売手法になります。最近では、インスタグラムのインスタライブで自社商品を販売している企業も増えてきていますが、そこで疑問となるのが、ライブコマースとインスタライブの違いです。
この記事ではSaaS型のライブコマースサービスを利用して行うライブコマースと、Insagramで行うインスタライブについて解説します。
目次
ライブコマースとは
ライブコマースとは、わかりやすく例えるとオンラインで行われるテレビショッピングです。オンライン上でのライブ配信を通じて、自社が展開する商品やサービスを紹介する新しいマーケティング手法のことを言います。配信者である事業者と商品の購入検討者である視聴者が双方向のコミュニケーションを取れるため、視聴者の疑問にその場で回答したり、視聴者の反応を見てその場限りの特典を用意したりすることで、視聴者の購入検討を促進することができます。
※本記事で紹介する「ライブコマースサービス」とは、自社ECサイトへの埋め込み式や、専用サービスサイトや配信ページがある「SaaS型」を指しています。
インスタライブとは
インスタライブとは、Instagram Liveの略称で、meta社が提供するインスタグラムプラットフォームに付随したSNS型の「ライブ配信機能」になります。
SNSであるため、一般的には配信者がフォロワーと交流するためにライブ配信を行うケースが多いですが、企業から依頼を受けて、インスタライブでライブコマースを行う場合もあります。
SaaS型のライブコマースサービスとインスタライブ(SNS型)の違い
インターネットのライブ配信を通じて商品を販売する「ライブコマース」。Instagramのライブ配信機能「インスタライブ」でもライブコマースができるということをご理解いただけたと思います。
続いて、SaaS型のライブコマースサービスとインスタライブ(SNS型)の違いについて解説していきます。
●購入導線
●集客
●分析機能
●エンゲージメント率
●サービス利用費
●運用サポートの有無
ではそれぞれの違いについて細かく解説していきます。
購入導線
ライブコマースサービスとインスタライブの違いについて、ライブコマースサービスの方が購入までの導線が整っているということが挙げられます。
インスタライブは、ライブコマースに特化したツールではないためインスタライブを視聴しながら商品を購入することができません。
ライブ配信で紹介されている商品を購入する場合は、別途アカウントのプロフィールや投稿情報から販売サイトに遷移して購入する必要があります。
一方で、ライブコマースサービスであれば、ライブを視聴しながら購入を行う機能を提供している場合があります。
購入の導線が整っていないと視聴者の購買率が低下してしまうため、購買率を高めたいという方はライブコマースの活用をおすすめします。
集客
インスタライブとライブコマースサービスの違いについて、インスタライブの方が集客しやすいということが挙げられます。
インスタライブの場合、配信を開始した時にフォロワーに通知が流れるため、一定数集客を集めることができます。
さらに、視聴者が通知オフにしていた場合でも、インスタグラムを開くとストーリーズの一番左にインスタライブ配信が表示されるため閲覧されやすくなります。
一方、ライブコマースサービスを利用する場合には、事前のライブ配信告知が必要不可欠となります。告知する方法として、SNSでの活用やメルマガ配信、自社サイト配信などさまざまあります。すでにインスタグラムのフォロワーが多い方や企業であれば、インスタグラムのストーリーを活用することもおすすめします。
分析機能
インスタライブで分析できる項目は下記の通りです。
・リーチしたアカウント数
・ピークの同時視聴者数
・コメント数
・シェアされた数
一方、ライブコマースサービスの分析機能は下記の項目が分析できます。
・視聴者のアクション(Like, コメントなど)
・総視聴者数
・同時視聴者数
・シェア数
・購入者数 etc.
※ライブコマースのサービスによって異なる項目もあります
ライブコマースでは購入がどれくらいあったのかを分析できることが大きな特徴となります。購入数が把握できることで、実際に行った配信に効果があったのかを理解することができ、効果検証や改善に役立ちます。これから本格的にライブコマースを行って商品購入を増やしていきたいという方はライブコマースサービスがおすすめです。
エンゲージメント率
購入導線の違いにも関係しますが、SaaS型のライブコマースサービスでは、インスタライブと比較して、商品紹介・購入に特化した機能が提供されており、商品購入率のようなエンゲージメント指標がSNS型と比較して高くなる傾向にあります。
例えば、ライブコマースサービスは分析機能が充実しているため細かな改善が行えます。
それにより、視聴者の反応が良い配信内容はどんなものなのか、どのような情報が求められているのかといった視聴者目線でのライブ配信改善を行うことができます。
サービス利用費
インスタライブは、インスタグラム上でライブ配信が行えるため、基本的に無償で利用する事が出来ます。
一方、SaaS型のライブコマースサービスでは、サービスによって費用は変動しますが、利用料が発生します。
ライブコマースを始めるにあたって、とにかく費用を抑えたいという場合には無償で利用できるインスタライブのようなSNSサービスが有力な選択肢となりますが、SaaS型ライブコマースサービスでは、ライブコマースの立ち上げや改善を支援するサポートメニューを提供しているケースも多いです。
多くのライブコマースノウハウを持つ企業にサポートを受けながらライブコマースを始めたい場合には、SaaS型ライブコマースサービスを提供する企業へ相談されることをおすすめします。
運用サポートの有無
上述でも少し触れていますが、SaaS型ライブコマースサービスを提供している企業はサービスのオプションとして運用サポートを行っているケースが多いです。
サポートの内容は様々あり、例えば、ライブ配信の台本制作や出演者のキャスティング代行、撮影の代行、配信実績の振り返りや改善提案などを依頼することができます。
一方で、SNS型サービスを利用する場合には、全て自社で対応するか、別途相談先を探す必要があります。
ライブコマースの配信は慣れてしまえば自社内で行うことも可能ですが、ライブ配信自体が初めてといった場合には、工数や時間などの労力がかかってしまうため、立ち上げの時期だけでも、専門家へサポートを相談されることをおすすめします。
ライブコマースサービスとインスタライブのどちらを使う?
ここまで、SaaS型のライブコマースサービスとインスタライブ(SNS型)の概要と双方の違いについて解説してきました。続いて、ライブコマースを導入した方がよい企業、インスタライブを導入した方がよい企業について整理していきますが、ポイントは目的に応じた使い方をすることにあります。
SaaS型のライブコマースサービスとSNSのライブ配信について、一概にどちらの配信方法が優れているということはなく、それぞれに得意な活用シーンがあります。
それぞれの特性を理解したうえでサービス選定を行いましょう。
SaaS型ライブコマースがおすすめの企業
ライブコマースサービスがおすすめの企業として「自社独自の配信プラットフォームが欲しい」「視聴者の行動や流入経路等をデータとして活用していきたい」「インスタライブは経験済みで効果測定を行っていきたい」「ライブ配信初心者」「ファンの獲得や商品購入を増やしたい」等が挙げられます。
インスタライブの場合、サービスを展開しているmeta社に視聴者やフォロワーの行動履歴が溜まってしまい、その情報を活用することができません。さらにはその情報をもとに、自社のライブを視聴してくれたフォロワーに競合の製品情報や広告が表示されてしまうことも考えられます。
ライブコマースサービスの場合、自社ECサイトや配信専用ページでのライブ配信となるため視聴者の行動が外部に活用されることなく、自社で活用することが可能です。
その他にも「顧客体験を重要視したい」と考えている方は、SaaS型のライブコマースサービスがおすすめです。
ライブコマースサービスにはライブからの購入導線がしっかり整っていてます。そのため、視聴者にとってスムーズな購入体験を提供することができ、自社の顧客の満足度向上につながります。
しかし、ある程度の集客が見込めるブランド認知やファンを抱えていないとライブコマースでの商品購入に繋がりにくいため、集客が見込めない企業は、まず認知拡大のための施策を行うことをおすすめします。
実際にこちらの記事で集客についてのポイントを解説しています。
関連記事:ライブコマース成功のポイントは「集客」 失敗しない集客方法を解説!
SaaS型ライブコマースが向いている企業 |
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・自社独自の配信プラットフォームが欲しい ・視聴者の行動や流入経路等をデータとして活用していきたい ・既にインスタライブを経験済みで効果測定を行っていきたい ・ライブ配信初心者 ・ファンの獲得や商品購入を増やしたい ・顧客体験を重要視したい |
インスタライブがおすすめの企業
インスタライブがおすすめの企業として、「アカウントのフォロワー数が多い企業」「費用をかけられない企業」が挙げられます。
Instagramでフォローしているユーザーは既に企業を認知しており、さらに、企業に対しての関心度が高い状態と言えます。
すでに企業とフォロワーと関係値が構築されているため、インスタライブで配信をしても商品購入に繋がりやすいということが挙げられます。また、Instagram上からライブ配信が行えるため、フォロワー数が多い企業であれば集客に費用を多くかけずに視聴者を集めることができます。
また、インスタライブは無料で始めることができるため、あまり費用をかけられない企業やスタートアップ企業で企業・商品の認知から始めたいと考えている企業に向いています。
ライブ配信の予算を捻出するのが難しいという企業はインスタライブからまずはじめてみるのもいいかもしれません。
インスタライブが向いている |
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・既にアカウントのフォロワー数が多い ・費用をかけられない ・ライブ配信に慣れている |
ライブコマースを導入するなら「Live kit」
当記事では、ライブコマースとインスタライブの違いについてご紹介しました。
近年ではYouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームが人気を博しており、さらに新型コロナウイルスの影響によりECサイトでの購入意向が高まっている中、ライブコマースは今後も需要が高まっていくと考えられます。
SaaS型ライブコマースサービス「Live kit」では、30年を超える通販・EC業界支援の実績を通して、ライブコマースはもちろんのこと、その先のオンライン売上の拡大という視点でご支援いたします。これからライブコマースを検討している企業様はぜひ一度お問い合わせください。